「死ぬときに貯金ゼロ」を目指すという意見を耳にしましたが,まったく共感できなかったので,理由をまとめます.
「死ぬときに貯金ゼロ」を目指す主張
MUFG資産形成研究所が行った調査(2020年)によると、子どもが親から相続する財産の平均値は3273万円で、中央値が1600万円という結果があります。実は、老後のためにと築いた資産を結局使わずに、次世代に引き継ぐことになってしまう人も多いのです。
もちろん、次世代に相続させることは悪くはありませんが、せっかく貯めたお金ですから、自分でやりたいことや叶えたい夢のために使ったほうが人生に悔いが残らないと思います。
アメリカでベストセラーとなった『DIE WITH ZERO』という本の著者ビル・パーキンス氏は、「1000万円の資産があれば、1000万円分の経験ができる。人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ」と言っています。お金を残すより、思い出を残すほうが人生は豊かになるのです。*1
つまり,自分の人生に必要な最小限のお金を稼ぐのが,コストパフォーマンスにおいて優れているという主張のようです.
余裕でクリアしたからサボればよかったとは後悔しない
上記の主張は死ぬときについて言及しています.みーはまだ生きているので,自分が死ぬときの実際の感情は分かりませんし想像もできません.そこで抽象化してみます.上記の主張は「余裕でクリアしたからサボればよかったと後悔する」となるはずです.
受験に余裕で合格する,資格試験に余裕で合格する,RPGでレベルを上げすぎてラスボスを余裕で倒す,パソコンを奮発して購入したら思ったよりもスペックが高くて処理力が余っている,乗車する予定の電車の10分前に駅に到着する,今までの人生で何かを余裕でクリアしてしまったことは何度もありました.振り返ってみると,クリアしたことを喜ぶことは多いですが,サボればよかったと後悔したことはありません.
まだ死んだことがないので断定はできませんが,死ぬときに貯金ゼロを目指すのはみーの性格には合わない気がします.
経済的な余裕がある安心感
自分がやりたいと思ったことが,お金が不足しているために実践できないのは辛いです.死ぬ直前まで,自分がしたいことが実践できる十分な経済的余裕があるのは重要なことだと思います.
築いた資産は結局使わない
「死ぬときに貯金ゼロ」を目指す主張の中で,「築いた資産を結局使わずに、次世代に引き継ぐことになってしまう人も多い 」と記載されていますが,逆説的に,主張が多くの人に支持されてない証拠でもあると思われます.
自分が死ぬ日時は予測できない
平均余命などの統計情報から確率的に自分が死ぬ日時を推定することは可能ですが,思ったよりも長生きした場合にお金が足りなくなると困ってしまいます.物価高や健康保険の制度変更など予測不可能な要素も複数存在します.
まとめ
将来のことは分からないので,余裕をもった計画が重要だと思います.