先日,長野県の大王わさび農場に行ってきました.自宅でわさびを育てるための技を盗むことと,美味しい生わさびを楽しむことが目的です.
わさび畑の構造
わさび畑は,下の写真のように,用水路が細かく設計されていて,常にわさびに新鮮な水が供給されるようになっています.
模式図だと以下のようになるそうです.
水路の仕組み
わさびを生育する湧き水(すべて畑の中から湧き出している)が,畑全体にまんべんなく供給されるために,常に一定の水量が停滞せずに流れる水路を工夫しています.
掛水(青):畝間(うねま)へ注ぐための水路.小石で持った縁のすきまから水が漏れ込みます.
排水(赤):畝間を通った水が流れこむ水路.(いわば役目を終えた水)
畝(うね):掛水にたいしてすべて120°の角度をなしている.カーブではなくマチを入れて角度を修正します.
仕組みを理解すると,農場の用水路が非常に効率的であることがよくわかりました.機能美ですね.
わさびの育て方
わさびの育て方が書いてありました.
つまり,ワサビを育てるには,
- 豊富で清冷な水
- 12-13℃ (常に温度の変化が少ないことが重要.夏で15℃以下,冬で10℃以上)
- アルカリ性
- 透明
- 浮遊物のない水
- 栄養のない水はけのよい土
- 栄養は水のみで十分
- 水はけがよい
上記2つが不可欠みたいです.アルプスの雪解け水が理想的であることがよくわかりました.自宅でわさびを栽培するには,年間を通じて一定の温度の水を作る必要があり,これを実現するにはヒーターとクーラーを併用して厳密に温度管理をしないとダメみたいです.すごく電気代がかかりそうです...
ということで,こんなことをしてまで自宅でわさびを栽培するぐらいなら,ワサビをお取り寄せしたほうが確実で安上がりであるという結論に至りました.
ちなみに,みーが大王わさび農場を訪れた時,農場の奥の方で熊が出現したらしく,農場の半分が閉鎖されてしまったので,十分な見学ができなかったのが残念でした.